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公的なサポート

難聴という症状に対して、国や地方自治体からサポートを受けることの出来る法律や制度がありますのでご紹介していきます。

大きな項目としては下記のとおりです。
1)障害者総合支援法(国)
—補装具支給制度

2)障害者差別解消法(国)
       —不当な差別的取扱いの禁止
       —合理的配慮の提供
3)軽中度難聴児 支援(自治体別)
ひとつずつ紹介していきます。

1)障害者総合支援法_補装具支給制度
障害者総合支援法施行規則第六条の二十に定められた下記の 3 つの要件を満たすものとして身体障害者の手帳交付を受けた人で、支給基準に該当すると判定された場合に、補聴器・補聴援助機器の購入・修理費用が支給される制度です。

障害者総合支援法施行規則第六条の二十

① 障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、その身体への適合を図るように 製作されたものであること。
② 障害者等の身体に装着することにより、その日常生活において又は就労若しくは就 学のために、同一の製品につき長期間にわたり継続して使用されるものであること。
③ 医師等による専門的な知識に基づく意見又は診断に基づき使用されることが必要と されるものであること。


<障害者手帳の交付>

障害者総合支援法の対象者として、耳の聞こえの段階によってその判定を耳鼻咽喉科の指定医との先生が行い、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口での身体障害者手帳の手続きが必要になります。

聞こえの段階では、「聞こえないこと」のページでお知らせしたグラデーションでいうと、影響してくるのは中等度~重度の度合いの状態に該当する方が対象者となります。等級の度合いは下記の図でもご確認いただけます。
厚生労働省のHPに掲載されているPDFからもご確認いただけます。このページの情報は
聴覚以外の等級も含みます。)

<身体障害者障害程度等級(聴覚障害)>

等級 状況
2 級
両耳の聴力レベルがそれぞれ 100dB 以上(両耳全ろう)
3 級
両耳の聴力レベルが 90dB 以上(耳介に接して大声語を理解)
4 級
1)両耳の聴力レベルが 80dB 以上(耳介に接して大声語を理解)

2)両耳で普通話し声(60dB 程度)の最良語音明瞭度が 50%以下
6 級
1)両耳の聴力レベルが 70dB 以上(40cm 以上の距離の会話音が理解不可能

2)一側耳の聴力レベルが 90dB 以上、他測耳の聴力レベルが 50dB 以上

<補装具の申請>
手帳の交付をうけて、補装具支給制度を利用して、補聴器・補聴援助機器の利用を申請する場合、おおむねの流れは以下のようになります。
■指定の耳鼻咽喉科医を受診
指定の耳鼻咽喉科医師によって、補聴器支給の意見書交付

■総合支援法取扱いの補聴器店を訪問
該当の補聴器・補聴援助機器の見積書を作成

■お住まいの市区町村の役場の福祉窓口を訪問
①障害者手帳②役所の申請書医師の意見書③補聴器店の見積もり書提出し、申請

■補聴器支給の判定が完了後、役場から補装具費支給券が郵送される

■補装具費支給券と印鑑を持って指定の補聴器店を訪問
該当の補聴器・補聴援助機器の支給
※手順はお住まいの自治体によって多少異なる場合があります。

2)障害者差別解消法(国)
この法律は、障害のあるすべての人と障害のない人とが同じように、基本的人権を生まれながらに持つ個人としての尊厳を尊重され、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を持つことを確認し、すべての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、人格と個性をお互いに尊重しながら共に生きる社会の実現のために、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として 2016 年に施行されました。
この法律のとても重要な視点が 2 つあります。
1 つは「社会モデル」であること、もう 1 つは「障害者手帳の有無に関わらない」ことです。
従来、障害を持つ人が生活のあらゆる場面で直面する障壁について、原因は心身の機能の障害そのものにあるとする「医学モデル」という考え方が一般的でした。そのため制限の解決方法が治療・リハビリテーションによる改善=障害のある人本人に求める傾向でした。
「社会モデル」は障壁の解決方法は、障害を持つ人に対する十分な配慮のない社会の仕組みに求める考え方です。障害者の権利条約も同様で、障害者に対する考え方として、世界で主流となっている立ち位置で作られた法律だといえます。

また、この法律では「障害者」を「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」と定義されていますので、障害者手帳を持つ人だけでなく、障害者手帳は持っていないものの、何らかの機能障害がある人も対象に含まれます。

<不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供>
この 2 つは障害者差別解消法の核となる 2 つの具体的な決まり事になります。
詳細は内閣府の発行している PDF に事例等も含めわかりやすく説明されていますのでここでは簡単な説明にとどめます。
これは国・都道府県・市町村などの役所、会社・お店などの事業者(ボランティアなどのグループも含まれます)が障害をもつ人に対して正当な理由なく、障害を理由とした差別をすることを禁止し、障害を持つ人が社会の中にある、バリアを取り除くための何かの対応を必要としている、という意思を伝えられた時に負担が重すぎない範囲で対応するように配慮(双方が合意できる合理的な配慮)を提供することを求めています。
この配慮には、言語(手話含む)、点字・拡大文字・筆談・身振りによる合図・触覚など様々な手段によって意思が伝えられる通訳や障害を持つ人の家族・支援者・介助者・法定代理人などの障害のある人のコミュニケーションを支援する人のサポートによって本人の意思が伝えらえることも含まれます。

文字ばかりになってしまったので、それぞれのポイントを表にします。

国・地方公共団体 民間事業者(個人事業主・NPO 等含む)
不当な差別的取扱い

禁止

禁止

合理的配慮

義務

努力義務※

※採用時の配慮については法的な義務をおいます。(例えば面接時に筆談を希望された場合、必ず対応すること 等)

この 2 つの義務に対しての大切なポイントは、2 つです。
1 つ目はお互いに無理がないこと、もう1つは、障害を持つ人本人からの発信が必要 という点です。
例えば、「障害を理由に財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが、客観的に見て正当な目的のもとに行われ、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合」などは障害をもつ人にその理由を説明し、理解を得るよう努めることも定めています。2 つ目は本人からの意思表示です。必要とされる配慮は一人一人異なるため、お互いに齟齬のない環境を作るために必ず必要な姿勢といえるでしょう。
また具体的な対応の基準が必要となるのが常なので、行政・事業者に対してそれぞれガイドラインを制定するよう勧められています。(ご参考:厚労省作成の福祉事業者向けガイドライン)

JINO では職場でコミュニケーションの壁にぶつかられている社会人の方や、進学・就職活動で悩まれている聴覚障害を持つ学生に、この法律を活かした問題解決方法の相談も伺っています。
お気軽に相談ページよりお問い合わせください。

3)軽中度難聴児 支援(自治体別)
この制度は国の法律ではなく、各自治体で導入・非導入を決定しているもので、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児が補聴器を装用することで,言語やコミュニケーション能力の向上の促進を目的として,補聴器の購入に要する費用の一部を助成する事業です。

国で定められた決まりではないので、お住まいの都道府県・市区町村で対応が異なります。
ご自身のお住まいが対応するかしないか、役場の福祉窓口で確認していただくことをお勧めしています。
参考までに、東京とでは 18 歳以下の児童にたいしての事業として導入されています。
参考 HP:東京都中等度難聴児発達支援事業

以上、文字だらけになってしまいましたが、国や行政機関が実施している公的なサポートについてご紹介しました。
お読みいただきわからない部分やご質問がありましたら、お気軽にお問合せページから、または店舗 emailにご連絡ください。