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メーカーの情報

ここでは補聴器と補聴援助機器、人工内耳の主なメーカーをご紹介します。
JINO では器械をお使いになられる方に、器械の力を 100%活用いただくために、音の好み、というものを確認されることをお勧めし、お使いになる方の聞こえの状態と生活環境に合うものを、数ある補聴器メーカーの中からご紹介しています。

こちらのページは、ご自身のお使いになる器械はどんな会社が作っているのか、興味がおありになるかた向けの解説のようなものとしてご利用ください。
海外では Audiologist という聴覚の専門家が各メーカーの特徴を新製品が出るたびに評価しているサイトもありますので、気になることがありましたらご質問ください!
※聞こえの状態は個人差が大きく、音に対する好みもあります。海外サイトのレビューはあくまでも参考にする程度にとどめたほうが賢明かなと思いますが、面白いので参考までにご紹介しました。

<補聴器のメーカーについて>

補聴器は開発コストが非常に高く、過去には日本のメーカーも多く存在していましたが、世界中で吸収合併が行われ、今は自社で開発販売しているメーカーは下記の図の中の 5 グループ(WS Audiology、Demant、Starky、GN、Sonova)に分けられます。2020年から軽中等度難聴の方向けのイヤホンのような補聴器開発をするメーカーが増えて来ていますが(2021年8月にはシャープさんからも発表がありました。)聴力幅や耳掛け・耳あななど選択肢も含めてしっかり全部対応しているメーカーはこの5つに絞られます。この中で日本で流通しているものはまた少なくなるのですが、主となるメーカーの情報を以下に個別にご紹介していきます。

(画像は Hearing Tracker から)

それぞれのグループが、補聴器のブランドを持っています。(お洋服で言うところの、ファーストリテイリングがUNIQLO や GU をブランドとして持っているのと同じイメージです。)
またこの画像の中にはそれぞれのグループが持っている補聴器専門クリニックや補聴器ではない音響機器のブランド名も記載されています。

日本には関係ないブランドも多いので、以下には日本で皆さんが購入していただくことの出来る、補聴器のブランドを紹介していきます。
順番は上の表と同じくアルファベットの順番で行きます。

GNグループ

デンマークで 1943 年に創業された補聴器メーカーのグループ。
世界で初めて iPhone と補聴器の接続機能を搭載するなど、通信機能の開発に特徴を持ち、いち早くリモートでの調整などの新技術にも対応。

 ◆Beltone (英語のサイト)

Sivantosグループ

※2019 年 10 月に Widex グループと合併し、WS Audiology というグループに統合
2015 年にシーメンス補聴器から業態を持ち株グループに変更したグループ。日本では 1960 年からシーメンス補聴器を販売。シーメンス補聴器は歴史が長くドイツで創業して 140年ほどの歴史を持ち、聴力の対応範囲と価格帯の選択肢を多く持つという特徴。

Rexton(英語のサイト)

Sonovaグループ

スイスで 1947 年に設立された補聴器と補聴援助機器のグループ。

世界シェア第一位のグループで、重度難聴用・小児難聴用の補聴器開発に特徴。

Phonak ブランドで開発されている補聴援助システム Roger はその汎用性の高さで他社の補聴器にも利用可能で、世界的に学校現場での採用度が高い。

Unitron(英語のサイト)

Starkeyグループ

アメリカで 1967 年に創業された補聴器メーカー。

故ロナルド・レーガン元大統領は自身がスターキー補聴器を愛用していることを公表したこともあり、業界全体の認知度の向上と発展に大きく貢献しました。

Widexグループ

※2019年10月にSivantosグループと合併し、WS Audiologyというグループに統合
デンマークで1956年に創業された補聴器メーカーのグループ。
耳あな型のデジタル処理可能な補聴器を世界で最初に開発。安定した開発環境が特徴。

Demantグループ

デンマークで1904年に創業された補聴器メーカーのグループ。
特にオーティコン補聴器として、世界的にピンクリボン活動を実施したり、コンサートを開催したり、補聴器販売以外の社会的活動にも重きを置いてユーザーの生活全体を応援する姿勢が特徴。

<人工内耳について>

人工内耳については、耳鼻咽喉科のお医者様との相談のうえで機種が選定されるものなので、特に難聴のお子さんをお持ちのご両親がメーカーや機種を選ぶ、という場面は少ないかもしれません。

成人の方の手術の場合にも同じことがいえると思いますが、ここではすでにお使いのお方やその家族が「ご自身や家族の使用している器械のメーカーについて知りたい」、と思われた際の簡易の紹介にとどめさせていただきます。

人工内耳がどんなものなのか、お知りになりたいという方には下記に紹介するコクレア社の動画が非常に良く分かりやすいのでご紹介いたします。
なお、人工内耳の手術を受けられる要件が決まっています。
聴覚障害があり補聴器での装用効果が不十分であることが前提で、成人に対する適応基準では、90デシベル(dB)以上の高度難聴とされています。
子供への適用は少し複雑で、原則 1 歳以上(体重 8 kg以上)、耳での聴力検査で平均聴力レベルが 90 dB 以上。この条件が確認できない場合、6 カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の平均聴力レベルが 45dB よりも改善しない場合、または 6 カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が 50%未満の場合と定められています。
残存聴力活用型人工内耳の適応は 2014 年にガイドラインが発表されおり、500Hz までが 65dB 以下、2000Hz が 80dB 以上、4000Hz 以降が 85dB 以上かつ、補聴器装用下での静寂下語音聴取能が 60%未満の方が対象です。
※参考:一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会 HP より

補聴器と同じように、その有効性に個人差があり、また手術直後から完全に聞こえるわけではなく、装用後のリハビリテーションが非常に重要です。

<人工内耳メーカーについて>

人口内耳のメーカーは 2019 年現在、日本では大きく 3 つの海外メーカーが主流になっています。
こちらもアルファベット順にご紹介してまいります。

Advanced Bionics

アメリカで 1993 年に創業された人工内耳のメーカー。防水の性能が高いプロセッサーや、補聴器と人工内耳を無線で接続できたり、Sonova グループの開発性能が活きた製品が特徴。

Cochlear

オーストラリアで 1967 年に創業された人工内耳のメーカー。骨導聴力活用型のインプラントなど先駆的な機能の開発が特徴。世界で初めて小児の人工内耳を実現させたり、日本でも最初に採用されたメーカーです。

MEDEL

オーストリアで1977年に創業された、人工内耳のパイオニアメーカー。
残存聴力活用型や、人工中耳などの新しい形を先駆けて開発しているのが特徴以上になります。

補聴器・人工内耳メーカーの紹介はいかがでしたでしょうか。参考になりましたら嬉しいです。
ご不明点や、掲載されていないメーカーについてのご質問は、メール・相談ページから承ります。